デンマーク、フォルケホイスコーレに学ぶ。『Oplysning og Hygge -学び合いと、心地よさ-』イベント開催しました!

『Oplysning og Hygge -学び合いと、心地よさ-』

 

 

あなたにとっての種火とは、なんでしょうか。

心の奥底で眠っているわくわくする気持ち、自分にとっての小さな想いに触れることで、改めて自分自身と向き合うきっかけを作りたい。そしてコーヒーを片手に、互いに対話を通してそれを見つめることで学び合いが生まれるような温かな空間を作りたい。デンマーク、フォルケホイスコーレを体験するワークショップを関西でも行いたい。

そんな想いを込めて、2017年12月16日(土)に『Oplysning og Hygge -学び合いと、心地よさ-』を開催しました。
ゲストスピーカーには実際にデンマーク、フォルケホイスコーレでの留学経験のある的場陽子さん、小日向なおこさんを招き、Pilot Light Coffeeメンバー森本康平と共にワークショップを行いました。

 

 

はじめに、Pilot Light Coffee代表の笹田から活動の想いや今回ご用意したコーヒーについて話をしました。

笹田:僕たちPilot Light Coffeeはコーヒーのある温かな空間を通して、心に種火を灯したいという想いがあります。

社会的テーマにアプローチする活動をコーヒーによって支え、その想いをメディアで発信する。そして、イベントを行うことで感心が生まれる場作りや、繋がるきっかけを生み出すことで実現できると考えています。

コーヒーは温かさを届けると共に、その間口を広げる役割も担っています。

 

 

笹田:僕たちが使っているコーヒーは、スペシャルティコーヒーと呼ばれています。なぜスペシャルティが良いのかというと、もちろん美味しいという理由もありますがそれだけではありません。

SCAAというアメリカスペシャルティコーヒー協会において、80点以上のスコアを取った品質の良いコーヒーだけがスペシャルティと認定されます。

一般的に0点~20点がローグレード、20点~40点がコモディティと呼ばれ、缶コーヒーなどに使用されています。40点~80点まではプレミアムと呼ばれ、キリマンジャロ、ブルーマウンテン、モカなどで有名なコーヒーは実はこのランクなんです。

スペシャルティに認定されると価格はぐっと上がり、生産者に対して適性な価値を還元できるようになります。そして、誰がどの農園でどのように作ったのかが透明になります。これは労働問題などの解決のきっかけになると言われています。

また生産者との関係や、美味しいコーヒーを持続的に作ることもできるようになります。ちょっと難しいですが、こうした背景があるからこそ、僕たちはスペシャルティコーヒーを使っています。

 

コーヒーを挽きはじめ、会場は華やかな香りに包まれます。そして次に森本から今回の企画の経緯について話はじめました。

 

森本:今年3月に店を持たないコーヒー屋をやろうと笹田くんに誘われて少ししてから、僕はデンマークに留学に行きました。

北欧の福祉を学ぶための留学でしたが、留学先のフォルケホイスコーレで過ごすうちにその学校のあり方に魅力を感じるようになっていったんです。

成人向けの学校、フォルケホイスコーレには宿題がなければ授業時間も短く、生徒が自分達のペースで学びたいことを自由に学べます。授業中も先生と生徒が対等に話を行い、ざっくばらんな会話がなされ、対話からの学びを大切にしていました。

学校にはサウナやビーチバレーコートなどもあり、楽しみながら余裕を持って自分の今後の人生について考えられるような場所でもありました。デンマーク発祥のフォルケホイスコーレが日本にも広まっていることを知り、いつか自分もフォルケホイスコーレで先生をしてみたいと思うようになりました。

そう思って帰国してしばらくしてから、笹田くんにPilot Light coffeeの最初の活動をフォルケホイスコーレ関係のイベントにしないかと誘われました。

どうせなら自分がフォルケの先生のような役を担って、フォルケの授業を日本人に体験してもらえるイベントにしようとフォルケ経験者の二人を誘いました。そして何度も打ち合わせを重ね、このイベントにたどり着きました。

 

初めて会った人とざっくばらんに話をするということ

 

 

アイスブレイクでは、二人一組のペアになり互いのあだ名を付け合って発表しました。
このイベントを始めるにあたって敬語は使わない、自己紹介をしないというルールを設けました。それは、自分が何をしているかというプロフィールではなく何を考えているか、どういう人なのか。

人と人同士、年齢や学歴など関係なく対等な立場で話ができる場を設けたいという意図がありました。

参加者は常語に慣れず、つい敬語を使ってしまって笑い合ったり、和やかな雰囲気で自分の気持ちの糸をほどいていきます。

自分は何が好きかを淡々と話し続ける人もいれば、どういうことを志して将来どんなことをしたいか、展望を語る人もいます。お互いに受けたインスピレーションをもとにあだ名をつけ、このイベント中はその名前で呼び合うことにしました。

 

 

付けた名前はどれも驚くほど腑に落ちるものでした。発表した瞬間どっと沸きあがるような笑いが起きることもあれば、真剣に理由を語るまなざしに深く頷くこともあります。一人ひとりに付いたあだ名にはストーリーがあり、イベント後にも忘れらないものになりました。

僕たちの日常はプロフィールや上下関係に満ちていて、素直な気持ちを語ることができる機会は決して多くはありません。初めて会った人とざっくばらんに話をするということ。生き生きと会話を楽しむその姿は、優しい笑顔と温かな雰囲気に満ちていました。

 

Nordfyns Hojskoleコース

 

それぞれのあだ名を付け終えた後、ふたつのコースに分かれました。
屋外で自然を感じ、自身の心と体と向き合えるような、Vestjyllnds Hojskoleでの授業を体験するコース。
もう一つは室内で自分自身の価値観について対話の中で深め合えるような、Nordfyns Hojskoleでの授業を体験するコースです。

Nordfyns Hojskoleのコースでは初めに、今の自分の状態に目を向けるワークショップを行いました。
自分自身の身体的なニーズ、感情的なニーズ、知的なニーズ、スピリチュアルなニーズの4つのニーズがそれぞれ今どれだけ満たされているのか。それをより満たすには何が必要なのかを一人ずつ、他の人たちに質問してもらいながら考えていきます。

Nordfyns Hojskoleで体験した授業に少しアレンジを加えたもの。フォルケホイスコーレで体験したときにはスピリチュアルなニーズの意味を理解することは、無宗教の日本人にとって難しいものでした。

ですが今回はあえてその意味を定義せず、参加者に自分にとっての“スピリチュアル”の意味を考えてもらい、自由に話してもらってから取り組みました。

 

 

スピリチュアルという言葉の持つ意味は、宗教を信仰している人、宗教ではないけれど自分にとっての信念となる考え方がある人、自然豊かな場所にいることで魂が見たされていると感じる人など一人ひとり異なりました。

実際のワークでもそれぞれ自分のニーズの捉え方や、それを満たすための手段も違います。そうした一人ひとり違う「自分のニーズの満たしかた」に周りの人たちが興味を持ち、暖かな眼差しで聞き合っていました。

その日初めて出会った“他者”の考え方を、対話を通して一生懸命理解しあうような場だったと思います。

 

次に自分にとって大切にしているものは何なのか、価値観に順位をつけるワークショップを行いました。

 

 

53あるワードの中から、直感的に自分にとって大事だと思うワード10個をまず選びます。その後、1位から10位まで順位をつけていきました。順位を決め終えたら、ペアになって互いに質問を始めます。

なぜそのワードが1番大切なのか。
なぜそのワードは3番目より大切なのか。
なぜそのワードは、10個の中に入らなかったのか。

いまの自分の状態を客観視して順位をつける人や、将来自分がどうありたいのかという基準から10個のワードを選んだ人などさまざま。話をしていく過程で順番が入れ替わったり、新しいワードと交換することもあります。
なぜそのワードが自分にとって大切だと思ったのか、言葉を探し、根拠を考えることで見えてくる自分に気づくこと。そして異なる価値観を学び合うことを目的としたワークショップでした。

 

 

自分の指針に迷ったり、気持ちを整理させたいときにでも簡単に行えるので、ぜひお家で試してみてください。

 

イベントを終えて

 

2時間ほど自由な時間を設けた後、最後に自分自身についての自己紹介を行いました。
今まで自分のプロフィールを明かさず、はじめに決めたあだ名と、何が好きでどんなことを考えているかだけの情報で話を行い、お互いを理解してきました。

 

 

普段であれば、この自己紹介はまずはじめに行われるでしょう。その行為をこれから別れを告げる人たちに行うことは、とても不思議な気持ちに襲われました。
緊張感は全くありません。むしろ、安堵感から参加者はみな自分の想いをぽつりぽつりと話始めるのでした。

 

今回、僕たちPilot Light Coffeeを結成して初めてのイベントでした。忙しい中ではありましたが、一緒に企画して下さった的場さん、小日向さん、森本くん。
そして、参加してくださったみなさま、本当にありがとうございました。

コーヒーを通して、こんなにも温かな空間の中でイベントを行うことができてとても嬉しく思います。

コーヒーは飲めないけど、このコーヒーなら飲めると言ってくださる方や、実はフェアトレードなどに興味があって詳しく話を聞いてみたいと言ってくださる方もいらっしゃいました。
少しでも、スペシャルティコーヒーにも興味を持ってもらえる場になったなら幸いです。

今後もさまざまなイベントを企画していきますので、また是非みなさま遊びにきてくださいね。

 

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